熊金(埼玉県鴻巣市)
埼玉県の鴻巣付近は昔から雛人形の他に、桐材の家具の生産地でもあることからそのオガクズを糊で固めた練物の玩具(鴻巣練物)が多く作られてきた。赤い彩色の作が多く「赤もの」の一つである。「赤もの」は江戸時代末期に子供に流行した疱瘡除けのまじない人形とされた。当時疱瘡になると庶民の子供は、医者に診てもらえることもなく、飢えと貧困の中、命を落とす者が多かった。伝染病は病魔神の仕業によって起こされるとされ、その神は赤い物を好むと信じられてきた。そこで、疱瘡が我が子に取りつかないように身代わりに赤く塗られたおもちゃを与え、病気に罹らないように願い、また、罹っても赤ものに病魔を移して全快を切に願ったものであった。